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2011/1/30稽古日誌「転≠倒」

参加者は二人。
お二人ともまだ入門して間もなく、稽古の参加も数回程度。
にもかかわらず、飛躍的に上手になっています。

それはなぜかと言えば、一番大きな理由は八光流柔術の技というのはテクニックなどの足し算による積み重ねではなく、無駄なものを省くという引き算の術理だから。

だから、ほんのちょっとしたきっかけで「あっ、そうか」と気づけばその瞬間から技や身体の使い方が変わってくる。

そういう意味では、自分の常識にとらわれず、今までと違うことをすっと受け入れられる頭の柔らかさや素直さというのも上達には非常に大切な要因ですね。

さて、今回の稽古では、最近のどのクラスでもテーマになっている「線を通す」ところから復習。
そして居つかない正座、その後は立った状態での居つかないように技をやってみました。

今回の稽古の中で一番大事なポイントは「『転がる』と『倒れる』は違う」という点。

具体的に比較すると

「転がる」
・球のイメージ
・地面との接地した所(足の裏)から順に接地面が移動していくまさに球が転がる感じ。
・相手に腕を掴まれた場合は、相手との接触面は一番最後に動く。
・脱力している。

「倒れる」
・大木や電柱のようなイメージ。
・接地面から離れた所、頭や肩、腰などが地面に向かって倒れていくような感じ。
・相手に腕を掴まれた場合は、最初に接触面が動く。
・緊張している
転倒

ちょっと話がそれますが。
「転倒防止」なんて言葉があるが、個人的にはこの言葉には違和感がある。
転ぶから怪我をするのではなく倒れるから怪我をするのです。
別の言い方をすれば転ばないから怪我をするのです。
ですので個人的には「転促進倒防止」の方がぴったり来ます。

話を元に戻します。

「転がる」と「倒れる」の違いを実際に動きや技の中で確認していくとその違いは歴然と現れます。
門人も実際にやってみてそのあまりの違いにちょっとびっくりして、思わず笑ってしまいます。
そして、なぜ足の裏まで力を通してから転ばなくてはいけないかという理由がハッキリとわかってまさに「あっ、そうか」と腑に落ちた様子。


柔術の技って頭で理解するよりもまず身体で体感しないと中々わからない。
理屈がわかるから出来るんじゃなくて、出来るようになると理屈がわかるんです

だから稽古ではまずは体感してもらえるような稽古をいつも心がけています(^▽^)

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