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2011/3/6稽古日誌「かかとでしゃがむ」

本日の八光流柔術の稽古参加者は二人。

今回の稽古でやったのは「かかとでしゃがむ」
まずはしゃがむという動作の時につま先重心とかかと重心の違いを感じてみる。

実際にやってみるとわかるがつま先重心のまましゃがんでいくとかかとが浮き、太ももあたりが緊張する感じがある。
力を抜くと言うよりもスクワットのような動きになり下半身が緊張する。
対してかかと重心でしゃがむと太ももは緊張せず、自然に身体が落下するようにしゃがめる。

転がる時も同様につま先重心とかかと重心で試してみるとつま先重心で転がろうとすると一瞬身体が固まりスムーズに転がる事が出来ない。
対してかかと重心にしておけば簡単に転がる事が出来る。

次にこの違いを二人で組んで確認してみる。

向かい合って立ち片手を相手に両腕で掴んでもらい、その腕を相手の足元に落とすようにする。
この時に、つま先に重心をかけたままやる方法と、かかと重心でやる方法を比較してみる。

やってみるとその違いは一目瞭然。
つま先重心だと全然崩れない相手がかかと重心にしたとたん簡単に崩れてしまう。かかとでしゃがむ


これは理屈を考えると当然なのです。
つま先重心というのは一言で言えば地面を蹴っているのと同じ状態。
上半身は下に向かおうとしているのに下半身は逆に上に向かっているのです。
これではアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものです。

地面を蹴るという行為は力を上に逆流させる動きです。
柔術の技というのは殆どの技が重力にしたがって上から下に向かって相手を崩すもの。

ならば地面を蹴るという行為はこの流れをストップさせてしまう最大の要因になってしまうのです。

だから足の裏で地面に対してふんばらない、蹴らない事が柔術では重要なのです。

そして地面を蹴らない身体をつくる為に一番良い方法が転がるということなのです。
逆に転がれない身体というのは地面に対してふんばったり蹴ったりするクセが抜けていないということ。

つまり稽古の中で相手の技を受けて転がらないというのは自分自身が身体が居付いているということを相手に宣言しているようなものです。

もちろん何でも転がればいいということではありませんが、相手の技に対して転べない人は大体自分自身が技をする時も力が抜けてない人が多い。

本日の稽古では転がることの重要性を感じてもらうことが出来たんじゃないかな~と思います。

2 Comments

長野美幸  

ありがとうございます

居着くということがよく理解できました。ありがとうございます。クラシックバレエで「グラン・プリエ」といって股関節を最大限外転させたまま「しゃがむ」というのがあります。「ドゥミ・ミリエ」というのはその途中までで踵が浮き始める手前まで沈みます。バレエの動力の原点はここにあるわけですが、柔術と全く同様でつま先に力が行くと、力が逆流して、次の動きになめらかにつながっていきません。今回の先生のブログ記事での解説で、長年の目の鱗が落ちました。!
昨日ブログを拝見し、早速今日の稽古でこれをテーマにやってみて、さらにいろいろなバレエの技が改善されました。
特にピルエットという片足軸足でつま先立って回転する技術が前のものとは異質なものになったように思われます。
いかに逆流する力の方向に流れないか、力を抜くかということが稽古なんですね。特に高度な技術になるほどその意識・感覚を磨かねば・・・ここまではっきりと指導してくださる方にお会いしたのははじめてです。ありがとうございます。これからもご指導いただけるようよろしくお願い申し上げます。

2011/03/07 (Mon) 23:40 | EDIT | REPLY |   

あんころ猫  

私の書いた文章で、そこまで深く受け取っていただけるなんて嬉しい限りです(* ̄▽ ̄*)。

「居つき」に関してはもう少し詳しい内容の記事を今週中にでも書きますのでお待ちください(*^_^*)

2011/03/08 (Tue) 20:42 | EDIT | REPLY |   

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