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精神障害デイケアにて柔術ワーク

17日は精神障害者の方のデイケアで柔術のワークをやってきました。
普段の柔術の稽古とはやや趣が違うので、ワークの内容は実際に参加者の皆さんの様子を見ながら組み立ていこうと思い、ほぼ白紙の状態で臨んでみました。

ただ、事前にスタッフの方からあまり激しくない動きで、説明もなるべくシンプルにお願いしますと言われたので、今回はスローペースでゆっくり進めてみようということだけ意識することにした。

ワークの前に参加者の皆さんと顔をあわせて挨拶。
皆さんの様子を観察しながら、さてどんなことをしようかなと考えているうちに今回のテーマが浮かんできた。

「床と仲良くなる」

今回のワークはまずはこれをやることにした。


柔術の稽古で欠かせないのが「転がる」こと。
しかし、運動に慣れてない人にとって「転がる」というのはなかなか力が抜けないし逆に怖いと思ってしまって緊張しがち。

ですのでまずは畳の上に大の字で寝てもらうことから始めた。

リラックスした状態で寝ながら身体と床がどのように接しているか感じてもらう。
そこから右へ左にゴロンと転がってもらう。
さらにペアになって腕をひっぱってもらいながらゴロン。

身体が緩んできたところで今度は座った状態からゆっくり後ろに転がって大の字。
今度は正座した状態から横にゆっくり転がってみる。
ポイントは一回一回動いた後に必ず床の上で全身脱力して大の字になるということ。

そんなことを繰り返しているうちに転がることは怖くなくて実は気持ちが良いという感覚を感じてもらう。
実際、最初は緊張して動きが固かった人達もだんだん柔らかくなってきて床に寝転んで気持ちよさそうな顔をしている。


後半は、いつもの柔術の力を抜いた動きをペアで組みながらやってみる。

力を使わないのに転がってしまうという感覚は、はじめて体験すると非常に不思議で最初はびっくりしたような顔をする。
そして、じゃあもう一度とやると今度は、転がりながら笑い始める。
こういった反応はどこでやっても誰とやってもみんな同じですですね(^。^)

畳と仲良く
ワーク終了後、参加した皆さんから
「武道なので難しいと思ったけど楽しくできました」
「力を抜くだけで相手が転がるのが面白かった」
「またやってみたいです」
などの感想をいただき、

また今回、身体の調子が悪いとのことで最初から見学をしていた方も「見ているだけでも楽しかった」という感想をいただけました。
これはとてもうれしい言葉です。

身体を動かす、動かさないに関わらずみんなと「場」を共有するだけでも楽しさは伝わるし、実は身体がゆるむんです。


今回のワークは、私自身学ぶところが非常に大きく大変勉強になりました。
柔術というものを勝ち負けや強い弱いを競う為のものではなく、人と人とが気持ちよく「つながる」為のコミュニケーション手段としてこれからも大勢の人達と楽しい「場」を共有できたらいいなと思ってます。

柔術に興味がある方、いや柔術そのものに興味がなくても心と身体のつながりやコミュニケーション、または力の抜き方などに興味がある方。

基本的にどんな場所でも行きますので、武道という枠にとらわれずに色々な場所にぜひお呼びください。
えっ、そんなところで!って私が驚くような場所でも、そこからきっと私自身も新しい事を学べるだろうし、柔術の可能性が広がっていくと思います。

今回のワークをする機会を作っていただいた方、そして参加された皆様ありがとうございました。

出張レッスンなどに詳細についてはコチラをご覧ください。

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