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柔術稽古日誌「首を緩める」

先日、道場に78歳の男性が入門しました。
うちは年齢の幅はもともと広かったけど今回は今までの最高齢65歳から大幅に更新です。

いつも言っている事だが八光流柔術を始めるのに年齢的に遅いということはない。
むしろ遅ければ遅いほど上達は加速度的に早いと言ってもいいぐらい。
これからの稽古が非常に楽しみです。


さて、今週の稽古では「首を緩める」というのをやった。
稽古では首に限らず身体の色々なところを緩めなくてはならないのだが、首というのは意外と忘れがちな部分。

わざわざ首にぎゅっと力を入れているという状況でなく普通にしている時でも首と言うのは力が入っているというのを自覚してもらう為にこんなことをしてもらいました。

正座の状態から転がる、というのをやってみる。
首のゆらぎちなみに転がり方に関しては過去の記事2011/5/20柔術稽古日誌「座からの転がり方」をご覧ください。

まずは正座した状態で首が動かない状態で誰かに横から肩をゆっくり押してもらって転がってみる。
次に、まず首をゆらゆらと緩めてその状態を維持しながら先ほど同じように押してもらって転がってみる。

比較してみると首を緩めている方が転がりやすいはず。

ほんのわずかでも首が固まった状態で押してもらうと上半身が傾いてから転がるという感じになる。
つまり首が緩んでいないとどうしても「転がる」ではなく「倒れて」しまうのです。


気をつけなければならないのは「首を動かす」と「首を緩める」は違うという点。
首を緩めてというと一生懸命首をぐるぐると動かす人が多いのだけどこれは首を筋力で動かしているだけ。
緩めるというのは首の筋肉の緊張を少しずつ抜いていき頭の重さを感じていくようにするということ。

この両者の違いは、最初の首の緊張が10だとしたら、「動かす」というのはそこからさらに+1、+2、+3というように緊張を高めていくこと。
対して「緩める」というのは10の状態から、-1、-2、-3という風に緊張を取り除いていくということ。

この二つをしっかり区別していかないと、首に限らず肩や腰、膝など色々な場所を脱力していくときにやればやるほど「動かす」ことになってしまい逆に力が抜けなくなります。


日本語には「首根っこを押さえる」という言葉があるがこれは身体そのもので考えれば要は相手の動きを封じてしまうということ。
例えば猫なんかは腕や足なんか押さえてもいくらでもぐにゃぐにゃと動いて逃げてしまう。
しかし首根っこを押さえると動けなくなってしまいます。

そのぐらい首というのは動きの要であるということであり、柔術的に考えれば逆にどんなに身体を押さえ込まれても首さえ動けばどうにかなるとも言える。


首というのは頭の重さを支えるという役割がある以上なかなか力を抜くというのが難しい部分ではあるが、それゆえに過緊張がおきやすい場所でもある。
首が固いと肩も凝るし背中や腰も張ってくる、緊張が強いと頭痛だっておきやすくなる。

そうするといつか本当に首が回らなくなってしまいます。

そうなる前に、柔術の稽古をコツコツと続けながら首がゆるんで楽になっていくのを首を長くして待ちましょう。

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