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柔術稽古日誌「イスに転がる?」

うちの稽古訓に「転がることが稽古である」というのがある。
実際にものすごく大事なことなので入門するとまず最初に覚えなくちゃいけないのが転がり方。

やり方としては決して難しいものではないのだが力を抜くという感覚がわからない人はどうしてもスクワットのような動きになってしまいしゃがみながら緊張してしまいます。

たとえば立った状態が10の緊張だとしたらそこから「9、8、7・・・4、3・・・」というように徐々に力を抜きながらしゃがんでいくのが正しい転がり方。

ところが意外と多いのが立った状態の10から「11、12、13・・・」と緊張が増していきながらしゃがむ人がいる。

しかもこれが無自覚で、本人は力を入れているつもりがない場合が多い。

そこでこんな事をやってもらう。

「立った状態からイスにゆっくりと徐々に力を抜きながら座ってごらん」

「えっ、どうやるんですか?」

「転がる時のようにゆっくりしゃがめばいいんだよ」

「・・・」

じゃあ、とりあえず普段やっている通りでいいからイスに座ってごらんといってやってもらう。

するとイスに近づくほど緊張が増すという人、または最初の緊張を保ったまま座る人が多い。

「それだと10、11、12・・・、または10、10、10、・・・だよね、力を抜くんだよ」

しかし今度は意識的に力を抜こうとするとお尻がどすんと尻餅をついたようにイスに落ちてしまう。

「それだと10から一気に0だからゆっくりじゃないよね」

というように意外とみんなできない。

「転がる」というのは稽古をしていれば誰でも出来るようにはなるが、ちゃんと正確に出来ているかとなるといつのまにか何となく転がってしまっていたりする。

「転がる」のは柔術における基本であるとと同時に実は最高の身体の使い方なんです。

どんな状態、どんな姿勢でも転がることさえできれば技になる。
逆に、どんな技でもうまくいかないというのは転がれない状態になっている時なんです。
転がるというのは奥が深いんです。
もっともっと転がりましょう。

紅の猫そう言えば某映画でこんなセリフもありましたよね

「転がらない猫はただの猫だ」

いや、なかったっけ(笑)?

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