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柔術稽古日誌「型稽古」

うちの稽古ではふだんは身体の使い方を細かく分解していき、腕の上げ下ろしや、歩き方の体重移動などひとつひとつテーマを決めながら稽古することが多い。
なので稽古の中身はけっこう地味ですが、すべての技に繋がる根本の術理を学ぶにはこの方法が最適だと思っている。
というわけで今までは型稽古にはそれほど時間を割いていなかったのだが、今年に入ってからは少しずつ型を取り入れながら稽古している。
そして実際に稽古をしてみると、身体の使い方の原理がわかった上で型をやらせてみると思った以上に非常にスムーズに覚えられるようだ。

型稽古を行う際に大事なのはまず状況設定。
身体のどの部分をどのような状況でつかみどの方向に力を出しているのか。
特に受けがこの部分をちゃんと理解していないと毎回手の取り方や力の方向などを変化させてしまい型の理合いを学ぶというよりも「どうやったら技がかからないか」という方向に流れてしまうこともあるので注意。

次にその型で学ぶべき目的を理解することも重要。
この目的はひとつの型の中でも視点を変えることで色々な捉えかたがあるので決して一つではないのだが、大事なのはどの型でも相手を「倒す、転がす」という目的だけに捕らわれないこと。

相手が転がるというのは正しいプロセスを経た結果であり必ずしも目的ではない。
ここもよく注意しないととにかく相手が転がればいいという稽古になりがち。

ちなみに八光流柔術の初段技全体を通して一番重要なポイントは「崩し」である。
初段のどの型でも、必ず「崩し」が入っておりこれをしっかり学ばなくてはならない。
固稽古
初段技で充分に崩しの理合いを学んでおくと二段技の本逆と言われる関節技が身に着けやすくなります。
逆にちゃんと崩しの理合いを学んでおかないと関節技は力づくになってしまい度を越して相手の身体を痛めつけてしまうこともある。
関節技はあくまでも「痛いから崩れる」ではなく「崩れるから痛い」のです。

最近の稽古でなかなか面白かったのが「八光攻」と「八光捕」をセットで稽古するというもの。
ポイントは先に八光攻を稽古してから八光捕をやるという点。
実際、八光攻で崩しの理合を掴んでから八光捕をするとあっけないほどに相手の手が簡単に外れる。

八光捕は私自身が昔から「誰でも出来て一番難しい技」と言っているので奥が深いのは理解していたが、八光攻も実は重要な術理が隠されていることを最近の稽古で再認識。

というわけで元々稽古のネタはいくらでもあるんだけど、最近は型を取り入れることで益々多様な稽古方法がどんどん生まれてます。
楽しいね~(^。^)

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