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柔術稽古日誌「信じられない」

八光流柔術では最小の力で最大の効果がでるような身体の使い方が要求される。
その為にも、使わなくていい力は出来る限り使いたくない。
最小の力で効率よく動くにはまず脱力というゼロの感覚が必要。

なので技の感覚としてはなるべく手応えのない感覚に近づけたいのだが、門人にとってはこれが稽古をしていく上では非常に難しいところ。
ちなみに手応えがない感覚に関しては、過去の記事も参照してください。

技がうまくいったときは、なにしろ手応えがないのだから自分の中でもう一度同じ事をしようとしてもその手がかりがわからない。
稽古中にたまたま良い動きができて相手がなんの手応えもなく転がった時なんかは思わず転がした方がこう言ってしまう。
信じられない
「嘘だ~」

「嘘じゃない、今のでいいんだよ」

「ホントですか?転がした気がしないんですけど」

「だからいいんだって」

「(転がした相手に向かって)わざと転がってない?」

「いやいや、ホントに転がったんだって」

「信じられない・・・」

という転がした本人が一番納得できないという現象が起きてくる(^_^;)。

ここでひとつ注目する点はこのような状態で技をかけたとき、転がされた方も相手が何をしているかわからないということ。
これは考えてみれば当然なんです。
何しろ技をかけている本人が自分の動きの感覚を捉える事ができないくらいなんだから、転がされた方がその相手の動きを捉えられるはずがない。

逆に考えれば技をかけている時に、手をこう動かしてとか、こっちの方向に崩してとか自分で知覚できる動きならば相手にも十分知覚できちゃうということなんです。

だからこそ、相手が何も感じずに転がる状態を作るにはまず自分自身が手応えがない状態にならないと駄目なんです。

受けも取りも何かをした、何かをされたという感覚がない状態。
柔術で目指しているのは「なにもしない」という感覚なんです。

身体と言うのは本当に不思議だけど面白いです。
自分の身体なのにわからないことがいっぱいある。

でも、とりあえず稽古の時に手応えがなく技が出来たときは、「嘘だ~」ではなくその自分の感覚を信じてあげましょう。

信じることで「身」体と「心」が技の「真」と「芯」に近づき、より「深」いレベルに「進」化します。

あぁ、なんとも無理やりなこじつけだ・・・、どうも「しん」ません<(_ _)>

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