柔術稽古日誌「思い込みを手放す」
金曜の夜のクラスから参加して、土曜日、日曜日とすべてのクラスに参加。
さらに日曜日は夕方も何人かの有志で自主稽古、最後は中華料理屋で乾杯。
Kさんは稽古三昧の3日間でしたね~(^_^)。
色々な稽古をしましたが、そのうちのひとつがこれ。
正面にたった状態で両手を前に出してもらいます。
その状態で相手の手首をがちっと握って引っ張ろうとすれば反応としては相手は引っ張り返すし、逆に押し込もうとすれば押し返してくる。

次に、相手の手首のあたりの皮膚を2点で触れ、皮膚だけを手前にゆっくりとずらしていく。
するとほんのわずかな動きにも関わらず相手の身体が皮膚の動いた方向についてきます。
逆に皮膚を相手の身体に向けて動かすと今度はそのまま身体が後ろに動いていきます。
反応の大小はあっても、道場の誰がやってもおなじ結果が出て、やった人もやられた人も「あれ~、なんで~(笑)」と驚いていました。
人間の身体というのは不思議なもので、腕全体を動かそうとすると腕はもとの位置にバランスを戻そうとするのに、皮膚だけを動かすと皮膚の位置に腕を合わせようとする。
まあとりあえず、あまり細かい理屈は抜きにここで理解してもらいたいのは
「小さな力でも身体は動く」ということ
稽古をしていて、技がうまく出来ないと相手の身体が重く感じてしまいます。
これを繰り返しているとどうしても「人間の身体=重い」という意識が刷り込まれてしまいます。
本来、技というのはうまくいけばいくほど手応えがないものです。
ゆえにうまくできたときは相手の身体の重さを全く感じないほどです。
しかし相手の身体は重いと感じるような稽古を繰り返しているとそれが無意識下に刷り込まれてしまいます。
この思い込みがやっかいなんです。
どんな技でも「出来ない」と思い込んでいる技は一生「出来ない」ままです。
同様に人間の身体を「重い」と思い込んでいる限り相手の身体を軽く動かすことはできません。
だから、時々こういった力を使わなくても身体は動くということを感覚として認識して脳の情報を書き換えるような稽古をすることもとても大切です。
言うならば「名前をつけて保存」ではなく「上書き保存」なんです。
新しい情報を書き換えられるように余計な「思い込み」はいつでも手放せるようにしなくてはならない。
柔術で柔らかくしなくちゃいけないのは身体だけでなく頭も、ですね。