柔術稽古日誌「逆転の発想」
正面から諸手で片手を掴んでもらい相手を崩すという稽古の時、肩のポジション取りの話になった。
腕を動かす時には当然ながら肩の力を抜くのだが、その時にどうしても肩が前方に滑り落ちてしまいがち。
肩が前方に落ちると身体が前に傾いて猫背になってしまう。
正しいポジションは肩は真っすぐ落とし、意識としては肩胛骨を背中に降ろすという感覚。
ところがそういう風に肩を動かそうとすると今度は相手を引っ張るような動きが出てきてしまう。
もちろんそういう崩し方もあるが、今回の稽古では接触部分は動かないようにとやってもらった。
しかし小さく肩を動かそうとしてもなかなかうまく行かずどうしても腕が動いてしまう。
そこで交代して私がやってみる。
腕を掴まれた状態から肩ではなく身体をスッと前に出して肩甲骨のポジションをとって相手を崩す。
門人は「えっ」という顔をしている。
「前にでるんですか?」
「うん、肩の位置を正しい位置に持っていくのに腕しか動かしちゃいけないとは言ってないよね。
しかも接触部位は動かさないほうがいいんだったら身体を動かしたほうが断然楽でしょ」
門人は「なるほど」と「え~」が混ざったような複雑な顔をしていた。
もちろんこれが唯一の正しい「答え」というわけではなく、身体を使いこなす上でこういった発想の転換はとっても重要ですよということ。
例えばこんな質問をしてみる。

Aのイラストは腕が曲がった状態である。
この状態からBのように腕を伸ばしたい。
そこでCのように誰かが腕をがっちりと掴んできた時に、なるべく力を使わずに腕を伸ばすにはどうしたら良いだろう?
こう質問すると大抵の人は脱力とか力のベクトルをずらすとか柔術の技法を駆使してなんとか力がぶつからないように腕を伸ばそうとする。
もちろんそれらの考え方も決して間違いではない。

でも、ここまで読んだ人はもうわかると思うが、考え方の一つとしてそもそも腕を伸ばすのに腕を使う必要はない。
そう、身体を一歩後ろに下がれば良いのです。
これだって聞けばなーんだ、ということかもしれないがその答えが案外最初から出てくる人は少ない。
そんなのずるい~、なんて言われるような発想でも自分自身で思いつくことができなければコロンブスのたまごと同じです。
柔術は身体だけでなく頭も柔らかく使うんです。
自由な発想で皆さんも「転ぶんですのたまご」になりましょう
腕を動かす時には当然ながら肩の力を抜くのだが、その時にどうしても肩が前方に滑り落ちてしまいがち。
肩が前方に落ちると身体が前に傾いて猫背になってしまう。
正しいポジションは肩は真っすぐ落とし、意識としては肩胛骨を背中に降ろすという感覚。
ところがそういう風に肩を動かそうとすると今度は相手を引っ張るような動きが出てきてしまう。
もちろんそういう崩し方もあるが、今回の稽古では接触部分は動かないようにとやってもらった。
しかし小さく肩を動かそうとしてもなかなかうまく行かずどうしても腕が動いてしまう。
そこで交代して私がやってみる。
腕を掴まれた状態から肩ではなく身体をスッと前に出して肩甲骨のポジションをとって相手を崩す。
門人は「えっ」という顔をしている。
「前にでるんですか?」
「うん、肩の位置を正しい位置に持っていくのに腕しか動かしちゃいけないとは言ってないよね。
しかも接触部位は動かさないほうがいいんだったら身体を動かしたほうが断然楽でしょ」
門人は「なるほど」と「え~」が混ざったような複雑な顔をしていた。
もちろんこれが唯一の正しい「答え」というわけではなく、身体を使いこなす上でこういった発想の転換はとっても重要ですよということ。
例えばこんな質問をしてみる。

Aのイラストは腕が曲がった状態である。
この状態からBのように腕を伸ばしたい。
そこでCのように誰かが腕をがっちりと掴んできた時に、なるべく力を使わずに腕を伸ばすにはどうしたら良いだろう?
こう質問すると大抵の人は脱力とか力のベクトルをずらすとか柔術の技法を駆使してなんとか力がぶつからないように腕を伸ばそうとする。
もちろんそれらの考え方も決して間違いではない。

でも、ここまで読んだ人はもうわかると思うが、考え方の一つとしてそもそも腕を伸ばすのに腕を使う必要はない。
そう、身体を一歩後ろに下がれば良いのです。
これだって聞けばなーんだ、ということかもしれないがその答えが案外最初から出てくる人は少ない。
そんなのずるい~、なんて言われるような発想でも自分自身で思いつくことができなければコロンブスのたまごと同じです。
柔術は身体だけでなく頭も柔らかく使うんです。
自由な発想で皆さんも「転ぶんですのたまご」になりましょう