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柔術稽古日誌「乗せる」

人間は一人で立っている時は安定していても何かに寄りかかった状態で急にその支えがなくなるとバランスを崩します。
その感覚を掴むためにこんな稽古をしてみました。
乗せる2
両手首を握ってもらった状態で、掴まれた人は左右どちらかの手をすっと落としてみます。
この時、受けが真っすぐ安定して立った状態のままで行っても中々崩れません。

では次に、手を落とす前に少し相手側に力を加えてみます。
そうすると押された人は、それに反応して押し返してきます。
そのタイミングで手を落とすと相手は簡単に崩れます。

実際にやってみれば崩れ方の違いははっきりとわかると思います。
しかし、ごく単純に言えばこれは相手の反射を誘うようなものなのでスピードやタイミングに頼ったり、ましてや腕力で行うと中々上手くいきません。
この技に限ったことではないですが、柔術における崩しは相手自身が崩れていると認識がないように崩さなければ技にはなりません。

ではどのようにすれば相手に気づかれずに崩せるか。

というわけで上記で行った方法を限りなく小さくしてみます。
相手の腕を押すという感覚ではなく、相手の手のひらに自分の甲が触れる程度の皮膚接触で十分です。

乗せる1
この状態を作ってから同じようにすっと手を落としてみましょう。

するとこの程度の接触でも相手が崩れやすくなっているのがわかります。
ほんのわずか皮膚が触れるだけで、ほぼ無意識に相手の手に乗りにいってしまうのです。

だからこそ相手は崩れた感触もないまま、思わず相手の手についていってしまい崩れてしまいます。

身体というのは面白くて相手への接触がどれだけ微細でも、触れた時に起こる反応というのがあります。
当然、どの方向から触れても反応は起きますが、今回はまず相手が乗ってくる感覚をつかむ稽古をしました。

相手が自分の手に乗る感覚が掴めると面白いように相手が崩れてくるので稽古の調子が上がっていきます。

こういうのをノリノリの稽古って言うんです、かね(^_-)

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