柔術稽古日誌「重さを乗せる」
腕の重さというのは片腕だけでも3~4キロ位はあります。
例えばペットを飼っている人なら小型犬や猫を想像してください。
この犬や猫が前に伸ばした腕に突然乗っかるのを想像してみてください。
グラッとなるぐらい重いですよね~(^^)
つまり腕の重さをちゃんと相手に乗せられればそれだけでも十分に相手を崩せるのです。
では、腕の重さをどうやって相手に乗せるかですが今回の稽古のポイントは姿勢です。
まず壁を背にして立ってみて小さく前ならえのような格好で相手に手を握ってもらいます。

「強い力」は感じるかもしれませんが「重い力」は感じないと思います。
次は、壁に背中と後頭部もぴったりつけた状態で、先ほどと同じように肘から先を落としてみましょう。
すると先ほどとは比較にならないほど腕に重さが出てきます。
重要なのは壁から決して背中や頭が離れないこと。
特に頭はすぐに離れやすいので注意。
壁で感覚がつかめたら壁から離れて同じようにやってみます。
やってみるとわかりますが、壁がないと身体を真っ直ぐに保つのが難しい。
何度もくり返して身体を真っ直ぐにしたまま手を落下させる感覚を身につけてください。
勘違いしてしまいがちなのが重さを乗せるのと体重を乗せるのを混同してしまう点。
重さを乗せるというのはあくまでも重力の方向に従って落下した時に起こるもので、体重を相手に押し込んだりするのとは違います。
重力だからこそ重い力であり、体重は単なる重量です。
同じ重さでも全く違うということを重々承知した上で稽古しましょう。
それと今回はあまり触れてませんが手を降ろす時は肩肘を動かさずに肘から先だけで落とすこと。
肘の位置をしっかり固定したまま(もちろんリラックスした状態で)肘関節だけを前腕を振り下ろしていきます。
これに関してはもう少し詳しく説明したいので次回の稽古日誌で。