柔術稽古日誌「身体を切り替えない」
だから技に行き詰まったら転がればいいというのは少し前の稽古日誌「転がればいい」に書いた通りです。
この事がしっかり理解出来ているか確認の為にこんな稽古をしてみました。
一人が中央に立ち、他の複数の人たちで立っている人に触れにいき身体を押したり手を引いたりする。
立っている人は身体に受ける力にぶつからないように転がっていく。
この時に転がる人が守らなければならない要点は
・居つかない
・かかと重心
・姿勢を崩さない
やってみると入門間もない人はともかくみんな上手に転がっている。
しかし重要なポイントはそこではなく触れにいく人の身体の状態がどうなっているかという点です。
触れる時の身体の状態を見てみると、つま先重心になったり、足が止まって腕だけで押したり引いたり、身体が前傾して姿勢が崩れたりしている。
つまり「転がれる身体」になっていないのです。
それを門人達に指摘するとみな「あっ・・・」という顔になります。
この稽古では転がる人と転がす人という役割分担がありますが、実はどちらも身体の使い方は同じなんです。
しかしほとんどの人が転がることと転がすことの身体の使い方を無意識に区別してしまっているのです。

これは技の稽古の時も同じです。
頭の中では技をかける人の身体の使い方は転がる身体の使い方と同じ、というのは理解していても無意識に身体のスイッチを切り替えてしまっているのです。
だから転がる時はかかと重心や姿勢などはしっかり守れているのに技をかける時になるとすぐにつま先重心になったり姿勢が崩れてしまう。
技を受ける時だけではなく技をかける時もしっかり転がれる身体を意識しながら稽古しましょう。