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柔術稽古日誌「釣り合い」

「崩れる」というのはどういう状況で起こるか。

例えば目の前の人が一人で立っているときにそれは自立していると言える。
そして自分自身も自立して立っていれば、自立している人が二人いるということになる。

この状態でもし自分自身の膝を抜いてバランスを崩したとしたら相手はどうなるだろうか。

もちろん何も起こらない(笑)

当たり前といえば当たり前です。

釣り合い1
例えば片足立ちになってぐらついている時に、壁などに触れるとバランスを保つことが出来ます。
これは壁を利用してバランスが釣り合ったという状態です。

これと同じように片足立ちになって相手の身体を先ほどの壁のように利用してバランスを保ちます。
するとこれは相手の身体を利用してバランスをとったということになります。

この状態で片足立ちしている膝を抜くと相手は簡単に崩れてしまいます。

釣り合い2
ポイントは釣り合いを取る時に、寄りかかったりしがみつくような大きな力を出さないこと。

壁に軽く触れてバランスを取るようになるべく弱い力で相手と釣り合いを取ることが大事です。

イメージとしては相手と自分の身体でヤジロベエのようにバランスを共有している感じ。
二人でひとつのバランスを共有出来るようになれば自己と他者という身体の区別はなくなり、自分自身のバランスを崩すだけで相手も崩れるようになります。


ただし技としてはなるべくこの釣り合いは相手の無意識下で行う必要があります。
なぜなら相手の身体を利用して釣り合いを取っていること自体が相手にわかってしまえば当然のようにそれを防ぐ反応されてしまうからです。

そういう意味では理想的には身体内部の感覚のみで釣り合いを取ることがベストです。


ちなみにヤジロベエというのは日本語では釣合人形、英語ではbalance toyと言うそうです。
海外ではモビールやバランス玩具としてはジェンガなんかもありますね。

どんなものにせよ大事なのはバランスというものは「部分」ではなく「全体」で考えなければならないということ。

あなたのバランス感覚は偏っていませんか。

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